デザインについて考え続けた1年〜卒業研究を終えてみて
これをもって私の大学生活は終わり、このブログも大学生として書くのは最後になりそうだ。何でも“最後”と付くと、物寂しさがある。
Twitterかどこかで「自分の学びを世に公開する、美大の卒業制作展という文化はすごい」的な内容の投稿を見かけた。
学びを世に公開する上に、それを見に来てくれる誰かがいるというのは、とても贅沢な機会だな、と改めて感じる。
「ただ公開するだけじゃなくて、そこで来場者と何を議論したのかが重要」と4年間通して先生に教わった。
学びを公開して、議論して、自分の中で消化させて、次の行動を起こすのが、ある意味礼儀でもあるなと思い、こうして画面に文字を打つ。
ということで、今回は1年かけたプロジェクトとも言える「卒業研究/制作:Design me」について綴る。
まずはじめに、この1年間、私の卒業研究にご協力頂いた全ての方々に感謝申し上げます。
また、大がかりな展示準備を手伝ってくれた造形学部の皆さん、本当にありがとう。
そしてアクセスの悪い瀬名キャンパスまで足を運んで下さった来場者の皆様、ありがとうございました。
目次
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この研究を始めたきっかけ
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研究/制作の内容
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研究/制作をしてみて
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展示をしてみて
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これからについて
1.この研究を始めたきっかけ
今回私は、「Desingme」というプロジェクト名のもと、卒業制作をすすめた。
「ノンデザイナーのデザインプロセスを解明する」という主旨の卒業研究及び制作である。
この研究を進めようと思ったのは、来年からデザイナーとして、異分野の人たちと共創(デザイン行為を)していく機会が多々あるんだろうな、と漠然と考えていたことがきっかけだった。
デザイン行為に抵抗があったり、馴染みのない人たちと、どうやったら一緒に楽しく未来を考えていけるのだろうか、と考えた時に、ふと「デザインって何もデザイナーのものだけではないのでは?」という「そもそも論」が浮かんだ。デザインはみんながすることだという前提について考えてみたくなったのだ。
私の中で「デザイン行為」とは「評価と改良を繰り返して、人々や社会にとって新しい価値を探求し続けること」だと定義づけている。
デザイン行為を上記のように捉えると、人々の生活の中に、沢山の「デザイン行為」が散らばっているように思える。身近な例として「私らしさ」というのは、誰もがデザインしている対象ではないだろうか?以前、デザイン学会かどこかで「デザインは営みそのもの」という言葉を耳にした。その時は今一歩腑に落ちなかったのだが、少しずつ分かり始めているようないないような....?
そこで、卒業研究では「私らしさをどうデザインしているか?という文脈から、ノンデザイナーのデザインプロセスを解明する」という研究を行った。
2. 研究/制作の内容
私は造形学部という学部に所属しているので、名目上は卒業制作である。よって、制作物としては冊子と映像を制作した。
卒業制作展では個室を借りて、冊子の展示及び映像の上映を行なった。
今回は自分らしく生きる4名の方に計2時間程のインタビューを行い、「私らしさ」と「デザインプロセス/ルール」についてエディトリアル・インフォグラフィックスで解明した。うち1名の方はエスノグラフィを行なって、映像での解明を試みた。
3.研究/制作をしてみて
今回取り上げた4名以外にも、複数名にインタビューをしていたのだが、総じて言えることは、意識・無意識にかかわらず、みんな評価と改良を繰り返して、新しい価値を探求し続けている、ということだ。ここでいう「新しい価値」というのは「より自分らしい姿、キャリア、生き方」である。これを世間一般ではセルフブランディングや人生設計、キャリア設計、と呼んでいるが、行為として捉えてみると、皆普段からよくデザインしている、と言える。
そして、人が違えばデザインのプロセスもルールも異なるということも、よく分かった。(このあたりについては、インフォグラフィックスで表現した。)
4.展示をしてみて
来場者からは
「デザインという言葉の捉え方が変わった。」
「デザインはデザイナーだけのものじゃないという考えにとても共感できるし、私もそういうことを研究しています。」
「そうそう、デザイン分かんない〜って皆言うけど、普段からやってるんだよね。気づかされました。」
「デザインという言葉を使わずとも、この映像を見たら「ああ、この人ってデザインされてるなぁ」って思えた。」
「デザインが、日常の行為に置き換えられるんだな〜と実感できた。」
「この考え方が、これからのデザイン業務に生かされていきそうだね。」
等々、前向きな意見を沢山頂いた。
一方で
「あなたは何を作り出したのか?」
「リサーチして、作るまでがデザインでしょ?」
「あなたが何をデザインしたのか、わかりにくい。」
という意見もあった。もっともな話である。
「どんな価値を創造したのか?」と言われると何も言えないのが現状である。
「どんな価値を発見したのか?」と言われたら「デザインは営みそのものであり、デザイナーのものだけではなく、皆が持ち合わせている力」と自信を持って言える研究ではあったと思う。
5.これからについて
1年間の研究としてやり残したことはまだまだ沢山ある。デザインについてもっと沢山の知見を持つ・調べる・学習する、もっと沢山の人のデザインルールを集めてみる、頭でばかり考えずに実践としてワークショップや人を巻き込んだことをやってみる等々....。
冒頭で話した「色んな人と共創していく」というのが、「私が現場に飛び込んで、一緒に考える、新しい価値を創造することである」ならば、今回の卒業研究はその点で大きく欠けていた。一歩引いた目で現場を捉える、見つめる、向き合う力も大切だが、見ているだけでは何も始まらなかった。私は飛び込むのが苦手なので、飛び込める人にとても憧れているし、早く私もそうなりたいと思う。
それでも、私の研究テーマに共感してくれる同級生や他大学のゼミ生の声に勇気付けられて、素敵な仲間に恵まれていることを、一年の研究を終えてしみじみと感じている。みんないつもありがとう。これからもよろしくね。
5月のデザイン学会に向けて、この卒業研究を含めた大学4年間の活動・実践をまとめようと考えている。どのような形でまとめるかはまだ定かではないが、これからも学びと実践を繰り返していきたい。
!安武ゼミのみんな一年間お疲れさまでした!
DesignShip グラフィッカーとして参加してみて
常葉大学 望月琴未です!
さて、昨年に引き続き2度目のdesignship!
光栄なことに、今年も常葉大学安武ゼミはお声がけ頂きまして、ビジュアルシンキングパートナーである株式会社グラグリッドのグラフィッカーとして参加しました!
更に!今年はプロカメラマンの逢坂憲吾さんが、2日間私たちの姿を記録し続けてくれました!一際輝いている写真はすべて、逢坂さん撮影のものです。ライブ感満載の素敵な写真に感動....ありがとうございました(泣)
先ほども述べましたが、昨年はグラグリさんの「インターン生」だったところを、今年は「グラフィッカー」として参加しています。グラフィッカーとして何を見て、何を思い、どう動いていたのか、綴っていきます。
(まだ振り返り途中なため、気づいたことはどんどん更新していきます〜)
続きを読むUX ROCKET🚀の日
常葉大学4年望月琴未です!
10.19土曜日
UX ROCKET〜UXネイティブのキャリア設計〜
参加してきました。
学生主催のデザインイベント、それもUXデザインに特化したイベントに参加することは初めて。
今回は主催:千葉工業大学安藤研究室のあーちゃんこと石井彩夏ちゃんと、以前展示会で知り合った素敵なご縁により、今回UX ROCKETトークセッションの登壇者としてお誘いもらった。
既に多方面で活躍しているUXネイティブの皆さんと同じ舞台に立てたが何より嬉しかった。
ここからは、私がUX ROCKETを通して感じたことを淡々と綴ってみる。
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◾️UXROCKETについて
UX ROCKETは、UXを大学で勉強してきた学生が、いざ社会に出てみて感じた違和感や葛藤がきっかけで始まったイベント。この違和感や葛藤について、当日他の登壇者と話せたことが個人的に楽しかった。皆悩んでるよね、と。
故にこのイベントには、UXを学ぶ学生と企業の間に生まれ始めている溝を埋めることで、UXにまつわる採用の設計を見直すきっかけになってほしい、というUXの価値 を信じる学生の願いが込められている。
すごいなと思ったのは、デザインを学んでいるとこういうイベントが自分たちでできてしまうということ。勿論大人の力があってこその機会ではあると思うが、広報から場づくり、何から何まで体験設計をしているんだという自負を感じた。
◾️UXネイティブについて
UXネイティブとかっこいいお名前をつけて頂いたが、UXに出会ったのはわずか3年前だし、授業でもそんなに勉強してないし、UXネイティブなのかどうかは分からない。
ここで千葉工大佐藤さんのLTの話。「UX×○○、これからはUXが当たり前になる」
このことは書籍アフターデジタルにも記載されていた。「中国にはUXデザイナーはいない。何故なら皆UXができて当たり前だから。」
○○に当てはまるどんなスキルを私は持ち合わせているんだろうか、自分に問う。
◾️UXとの出会い
パネルセッションの際に安藤先生に問われた、UXとの出会いについて。
デザインが自己表現や販売促進に留まらず、人々の生活をより良く設計する力を持っていることに気づいたのは、高校生でユニバーサルデザインという概念を知ったところからだった。だからこそ、UXデザインという自分にとって新種の概念を、案外柔軟に受け入れられたのかもしれない。
◾️ギャップについて
今回LTで話した内容は「私たちだけが分かるUXにまつわる3つのギャップ」である。地方でUXを学び、様々なギャップに直面し乗り越えてきた私たちだからこそ分かる、赤裸々で大胆な告白をしたいという一心だった。
「違和感(ギャップ)を探り当てようとすることは、デザインの根幹の姿勢なのかもしれませんね。デッサンも、違うなと思ったら描き直しますよね。でも、肯定力や許容力を失わないよう肩の力も抜いてみてね。」東海大学富田先生の言葉はとても身に染みた。
対象を頭ごなしに否定するのも荒すぎるし、だからと言って何でも肯定してしまうのも違う気がする。対象と丁寧に接していくこと、そのための知識と余裕があることがデザイナーには必要なのだろうか?
と考えると、対象と丁寧に接していく知識や余裕がまだ自分には少ないようだ。
◾️インプットとアウトプットについて
UXROCKETの翌日、本屋で出会った本が素敵だった。平成生まれの食べることが大好きな女性が、ひたすら食べることを情緒的に綴ったエッセイ集。
このエッセイ集を見て、感じたことや考えたことを自己満足でいいから文章化することで、気づくことの多さを改めて知る。
話をUXROCKETに戻すと、当日ある大学の男の子に
「LTの時、調査分析を2回行ったと言っていたが、調査分析が物足りないといつ気づいたのか?」
と問われた。私は「調査分析の後、セミナーでポスター発表をすることに決めた。ポスター発表をするためには、自分たちの活動を整理して言語化する必要があり、この整理のタイミングで上手くいってないことを自覚した。」と答えた。勿論経験値が物語る時もあるが、実践の後に言葉にしてみて初めて「ああこれってこうだったんだ」と客観的な判断ができる。
インアンドアウトラボとはインプットアンドアウトプットラボの略称。そういうこと。
◾️最後に
就活を終えた残りの学生生活1年間は、こうして「採用されたい私」を超えた「私」について考えられる猶予があって嬉しい。もう1年ほしいが....(笑)
◾️最後の最後に
デザインについて考え、議論できる素敵な機会に招待頂けたこと、登壇できたこと、本当に嬉しかった!一緒に登壇した山川もありがとう!
自分たちのプレゼンを聞いて「胸に刺さった」「一番心に残った」「すごい分かる!」「何でこういうが言えちゃうんだろう」と様々なコメント頂きました。
何と言っても、これだけの規模のイベントを初回で成功させてしまう運営の皆さんには頭が上がりません、本当にお疲れ様でした!
LTメンバーは是非またどこかで集まりましょう!
あっ、今更ですがTwitterアカウント作りました。デザインについて、ぽろぽろ呟いていけたらいいな〜と思います。ぜひフォローお願いします〜!
▼@mochizukikotomi
【https://mobile.twitter.com/mochizukikotomi】
デザインと函館と私
大学生活も残り4ヶ月。社会に出るまでに、「学生生活にこれやっとけば良かった」と後悔しないよう、できるだけのことは取り組んできたつもりの4年の夏。
今回は、「デザインって何?デザイナーって何?」という、近大合同WSから引きずっていたモヤモヤを抱えながら、函館に飛び立ってみた。
まずは、近年企業に求められる「イノベーション人材」の話から、今回の函館合宿:「みんなですすめる木づかいプロジェクト」での気づきについて綴ってみる。
◾️イノベーション人材とは?
★以下若杉先生のコメント:イノベーションする体形を作るのは、沢山の表現とぶつかり、磨かれ、研ぎ澄ます運動能力。イノベーションを一般化する手法や経験の分析も必要であるが、イノベーションは「やりたい!」というパッションから生まれる
このコメントが痛いほど自分に刺さる。自分たちには圧倒的にパッションが足りなかった。デザインに対するプライドを見失った今の自分をどうにか変えたいと思い、函館に飛び立ってみたのは事実であった。
◾️頭で考えず、体で考える
今回のワークではユーザー調査をせず、フィールドワークをして五感で乃木地域を踏みしめ、気づきをまとめた。
ワーク中はほとんど付箋紙を使わず、ひたすら絵を描いて、話し合ってを繰り返した。
ユーザーの欲求を明確にしなければ~とか、そんなことしなくても「理想のアパート暮らしの絵」は十分に描けた。
妄想して絵を描いて、議論してを繰り返したら、どんどん形づくられていった。これがデザインか!ものづくりか!と体感した。
デザイン思考を学んだことは後悔していないし、むしろやって良かったと思っている。「生活者の素敵な時間や体験、暮らしを考えるんだ!」という姿勢や態度が、自分の中に定着したから。
一方で、ユーザーの心理に答えが必ずある!とユーザーを分析して分かったつもりになり、頭でばかり考えていた。つまり、現地に出向かない、絵を描いたりモノを作らないプロセスには大いに問題があった。
そんな時に、今回の合宿では嬉しい発見があった。それは「私ってものづくり大好きだったじゃん」ということ。そういえば、高校時代は家庭科室でひたすら衣装を作っていたし、大学2年時には自分でデザインした雑貨をネットで販売もしていた。私新しいものを作ることが好きじゃん、手動かすの大好きじゃん。体で考えてたじゃん。
実際、ワーク中に絵を描き続けることも、メンバーと話し合いながら形作っていくのも、とても楽しかった。人数や時間の問題で大きな模型までは作れなかったが、その過程を楽しめた自信はある。
▲最終成果物(理想の学生アパートでの暮らし)
◾️UXデザインって何?
生活者の素敵な暮らしを考える(UX)×美しいものを作りたい!(Creative mind)=UXデザイン
これが、現状の私の仮説である。このマインドセットが私の中にあるから、私は来春からUXデザイナーとしてやっていけそう(?)
そんな、私の中に隠れ潜んでいた遊び心や好奇心、プライドを引き出してくれたこの合宿に、このタイミングで参加できたことが、本当に嬉しかった。
◾️地域とデザインとは?
地域復興とか昔の元気を取り戻すとか、そういうんじゃなくて。地域活性化とか、地域を他人事として見るんじゃなくて。「地域とデザイン」「地域創造」のような、細分化されて生まれてしまった空白をどうデザインするか、そこに限りない未来と人の喜びがあるんだと、改めて感じた。
いつか喫茶店とかゲストハウスとか古着屋とか開きたい。場所はまだ未定。旅していく中で考える。
ということで、今回お声がけ頂いた中京大学の上芝先生、東海連合チームとして沢山お世話になった宮田先生、中京大学メンバーの皆さん、本当にありがとうございました!!
共に函館に飛び立ってくれた遠藤ありがとう!
尚、運営、講師陣、他大学の方々も3日間大変お世話になりました!!
あ、苦手な海鮮ですが、克服に向けて道が切り開けそうです!(笑)
お寿司や海鮮丼も沢山食べてみたのですが、何より函太郎の炙りえんがわが美味しくて!!!!食べず嫌いって人生損してるなって思いました(笑)
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◾️最後に写真で函館5日間を振り返ってみる
函館の小道は興味ばかりそそられて困る(笑)
函館は猫がいっぱいいた。
観光の街函館でも、郊外に出ると車も人気も少ない。そんな中一際賑やかな五稜郭タワー。
路面電車って、生活の中に溶け込んでて好き。
たまたま見つけた素敵なお店。お休みで残念。
つい入りたくなるお店が多すぎる。
函館の茶房で茶を点てた。建物は明治時代のもの。店内は大正ロマンが漂う。時節、京都にいるのか函館にいるのか、或いは明治時代なのか大正時代なのか現代なのか、時空があやふやになる感覚が楽しかった。
名古屋出身の店主さんと談話。コーヒーご馳走様でした。
この坂から見る函館湾は絶景。
朝市は思っていたより商売っ気が強くて、ちょっと残念。
ハセガワマートのアイスコーナーにて。北海道アイスの中に一際目立って沖縄パインアイスがある図がとってもシュールで、一番好きな写真(笑)
夜は熊が出るという合宿所周辺。夜道を歩く中で死と直面する緊張感を覚えた。写真は撮れなかったが、天の川も見れた。
ジンギスカン。焼き方がいまいち分からず、肉の臭みが翌日まで口に残った。これもまたいい思い出。
フィールドワークで真っ先に喫茶店に入る原田先生率いるD班(笑)
はこだて未来大にもお邪魔。知恵を1人で抱え込まず、皆で共有しようという態度が、空間として設計されていることに驚く.....。
まだまだ写真は沢山あるが、今日はここまで。5日間で色々な事が起きすぎて、函館初日が1ヶ月前のように感じる(笑)
それほど、とっても濃ゆい函館合宿でした!
また函館にも森町にも絶対行きます!!!!
夏の伊東合宿☀️探究の始まり
In&Out Lab 初の合宿 in 伊東 🚃
こんにちは。望月です。
今回は、In&Out Lab で伊東合宿に1泊2日で行ってきたことをブログに書き納めます〜!
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嘗ての未来デザイン研究会で代々続いていた夏の合宿。In&Out Labに体制を変えてから初めての合宿。私にとっても初めての合宿。
今回の合宿は4名前後のチーム×10で、チームごと与えられたテーマを明らかにするフィールドワークを行う予定だった。が、前日の台風10号の直撃により、伊東線が一時運休。多くのチームがフィールドワークがほぼほぼできず仕舞い。悔しさが残る。
私たちのチームは、あみだくじで決まったテーマ「ローカル喫茶」を明らかにするフィールドワークを行った。伊東線が一時運休していたこともあり、急遽伊東のローカル喫茶ではなく熱海のローカル喫茶巡りに予定を変更。半日で3軒のローカル喫茶を回った。
先に述べておくと、今回の合宿は「ローカル喫茶とは、地方に根付く喫茶店である」と説明するのではなく、「ローカル喫茶とは人の暮らしにとって何なのか」を明らかにするものであった。
事前学習として、誰かにインタビューすることは一切しなかった。今までのサービスデザインプロジェクトではユーザー理解、つまりインタビューから始めていたが、今回は自分の実体験と感覚、それに近しい純喫茶大好きブロガーさんのブログから仮説を立てた。
フィールドワークでは、仮説の検証と仮説を証明する写真撮影を行った。仮説である「ローカル喫茶とは、社会の時間からこぼれ落ち、人間らしくて愛おしくなる場所、人間ってこうでいいじゃんと教えてくれる場所」を基に、店内の細部まで写真を撮影してフォトブックとして綴じ、スライドで5分の発表を行った。時間の都合上、ものすごく凝ったフォトブックは作れなかったにしろ、最低限伝えたい情報は載せたつもりだ。
フォトブックは、見る人にとって、私たちが喫茶店で感じたチグハグさや社会の時間からこぼれ落ちている感覚をそっくりそのまま感じてもらい、「ローカル喫茶って愛おしいな」と思ってもらうことをゴールとしていた。発表後、ラボの皆が隣の人と笑い合いながらフォトブックを眺めてくれているのを見て、無事ゴールテープを切れたとなぁと感じた。
今回のフィールドワークは本当に楽しかった。元々自分がカフェや喫茶店好きということもあるのだが、それ以前に「生産性がなくてもいいんだ」とか「人の温もりって何にも変えがたいな」とか「こういう事って日々暮らしてると忘れてるけど、本当は大切だよね」とか、人のより良い暮らしについて、前向きに探究することに関心があるのだと感じる。
そもそも、何故人はちぐはぐな点に人間らしさを感じるのだろうか。何を求めてファミレスではなく、ローカル喫茶を訪れるのだろうか。
これは私の仮説だが、人間って自信が無い生き物であって、自分を肯定できる何らかの温かさに触れたいんだろうなと思う。それが人間の営みであれば、尚更寄り添いたくなる。あまりにも自分勝手な話だが、仕方がない。この時点で、私は研究者でもフィールドワーカーでも経営者でもなく、ただただ1人の人間なのだから。
普段生活していると、生産性や効率性を求める話ばかり。成果が無ければ話にならない世界に生きている。当たり前の話だが、たまにとても窮屈な気分になる。こういった時に、人間らしい営みは私を勇気付けてくれる。これでいいと思わせてくれる。いずれかはそちら側の世界に行きたいと思いながら、元の世界へと戻って行く。それだけのことなのかなと思う。
(以下フィールドワークで発見した、人間らしくて愛おしい写真たち)
▲外の看板メニューが全く見えない
▲黄色いメニューは販売していないという嘘のメニュー
▲一件すると何が違うのか分からない食品サンプルたち
▲グラスに対して長すぎて、食べにくさナンバーワンスプーン
▲店内喫煙が終わりを迎えそうな時代の中、現在進行形でタバコの匂いが大充満する喫茶店店内
(上げ出すとキリがないので、この辺りで。)
そして何より、熱海の町歩きが楽しかった。やたらと地面の高低差が激しい熱海だが、好奇心を持って街歩きするには十分すぎる地形だった。
昔の観光街を感じさせる商店街から、潮風でサビれたビル、坂を登ると背面には絶景の海と地平線。少し先には初島。細い小道を歩いていると、古い民家から湯気とともに硫黄の匂いが香る。五感という五感で熱海を感じた。
何より、一緒にフィールドワークを楽しんでくれたメンバーに感謝!!!本当にありがとう!
絵しりとりレクリエーション優勝🏆
今回運営してくれた3年生ありがとう🏆
そういえばそろそろ部長も引退シーズン。約1年間頼もしさゼロパーセントの先輩について来てくれてありがとう!そして皆さん合宿お疲れ様でした!
■
こんにちは。
常葉大学4年の望月琴未です。
今回は第6回Xデザインフォーラムに参加したため、約5か月ぶりに、ブログを更新します!
今回のテーマは「フィンテックとデザイン、経営とデザイン」でした。
また、午前中に開催されたワークショップのファシリテーションのお手伝いもさせていただいたため、最後にちらっと感想を述べます。
1.フィンテックとデザインについて
2.経営とデザインについて
1.フィンテックとデザインについて
つい最近、「アフターデジタル」を読んだばかりで、
「OMOと呼ばれる、
→これについて非常に関心があったため、
今回のお話で特に面白かったのはマネーフォワード 取締役執行役員、Fintech 研究所長の滝さんのお話でした。
「顧客はペイメントサービスを見ていない。
ペイメントサービスそのものへの信頼性も大事だが、何より顧客が母体の体験に満足していることが重要なのかと気づかされました。まだまだ勉強不足なため、非常に発見が多かったです。今気になっている本はお金2.0です。オススメの本がありましたら、ぜひ教えてください!笑
2.経営とデザインについて
以前ある会社のインターンシップに参加し、
「経済産業省よりデザイン経営宣言が発表されたが、
→明日、
私が特にハッとしたのは日立製作所の主管デザイナー、
「社会や外部から考える構想形成と、
自分も1年後、インハウスデザイナーになる予定のため、
3.ファシリテーションについて
東海大学富田先生を中心に企画されました「
今回のテーマは「ある会社の社員合宿プランを検討するゲ
ワークショップを進めていくと、つい合宿のアイデアを出す完全なゲーマーになってしまいます。
ですが今回は、ゲームをデザインすることが本題であり、
これはあくまで私の解釈なので聞き流して頂いて構いませんが、
ポスター発表もさせていただきました。ブースにて足を止めていただき、フィードバックやアドバイスを下さった社会人並びに学生の皆様ありがとうございました。たまたまフィンテックサービスのプロトタイプの発表だったこともあり、このプロトタイプが議論の叩き台にできて、非常に楽しかったです。
最後までまとまりのない文章をお読みいただき、ありがとうございました。最後は懇親会で目に留まった令和を添えて〜
HCDnet東海:UXデザインWSに参加してみて
こんにちは。
常葉大学 望月琴未です!
12月22日(土)にUXデザイン連続セミナーDay1Day2補講(WS)に参加させていただきました。
ちなみに、HCD-net東海のセミナーに参加させて頂くのは今回で3回目でした。
1回目:インタビュー講座(2年生時)
2回目:UX講座(今年の5月)
3回目:インタビュー(今回)◀︎New
今日は主にこの2つの観点でブログを書かせて頂きます。
▪︎WS中の気づき
▪︎就活の入り口に立つ私の気づき
▪︎WS中の気づき
ータイムテーブルー
1100~1130:ミニレクチャー
1130~1200:インタビュー設計
1300~1400:インタビュー実施
1400~1500:インタビュー振り返り、ファクトイドの抽出
1510~1600:価値変換
1600~1720:価値マップ作成
1730~1800:結果共有
・井登さんからのインプット〜HCD・UXにおける価値探索について
「インタビューは言語情報と非言語情報を扱う」
インタビューを言葉で分解してみると確かに「inter」と「view」にわかれます。言語化されているものを深読みすることもインタビューですが、言語化されていないところを発見して深読みするのもインタビューのお仕事。
「デプスインタビューとグループインタビューについて」
デプスインタビューが潜在的な課題を探す定性調査であるのに対して、グループインタビューはアンケートとほぼ同じ、顕在的課題を証明する定量調査の扱いなのだと。このお話は調査の目的によって調査の手段が変わるというお話。
「生活者はニーズを語るプロではない」
生活者の95%の人は自分の本当にしたいことを言語化できなくて、この95%にアプローチするには生活者(インタビュイー)がどういうことに興味があるのか、執着しているのか、言語化してほしいのかを探る。確かに、ついつい生活者にニーズを言ってもらおうと深堀インタビューをしてしまうことが多いので、それはとんだ大間違いということを再認識。
昨年参加しましたインタビュー入門@名古屋の際にも、インタビューのコツについて奥泉さんよりお話しいただきましたが、その時は単純に自分の経験と知識があまりにも浅かったので、自分に落とし込むための引き出しがありませんでした。
3年生になった今、大学の授業や部活のPJでインタビューは何度かしてきましたが、がっつりインタビュー設計をせずにインタビューをしてしまったり、インタビュアーが自分とほぼ同世代が多かったので、共感できたりしやすかったんですね。だから何とかなったりしちゃってて。
今回のWSテーマは「より快適で理想的な「はたらく」をデザインする」でした。
まず今回の内容は(まだ働いたことがない)当事者でない話題だったり、グループメンバーも勿論私以外は社会人の方だったりと、共感はしにくい状況でした。デザイナーとなれば当事者でないことの方が当たり前だと思うので、甘ったるいことは言っていられないですね。
私たちのチームは働く際のやりがいを大項目にグループワークを進めていきました。
が........1日でインタビューから価値マップ作成までは、想像以上にハードでした。大学で分析をする際は下手したら1日2~3時間×4日ほどかけることもあるので...笑
(↑大学で分析中の様子)
私が極端に分析に時間をかけすぎているのですが、付箋紙に書き出す際の言語化の質や、顧客の利用文脈が読み取れる文章構成を意識している(しまう)ので、時間がかかってしまうんですかね。正直なところ、顧客の心理や体験価値に迫るこの分析段階が私はすごく好きで、タスクをこなす感覚より、グループメンバーと雑談を交えながら普段は楽しんで分析しています。
話は元に戻りますが、付箋紙の質=顧客の利用文脈や体験価値の捉え方
だと私は思っていて、スピードと付箋紙の質が比例できるような仕事人になりたいと思う所存でした。今回のWSはあくまで練習・訓練だったので、付箋の質を追求する というより、デザインリサーチのフレームを時間内に実践するのが目的だったとは思います。付箋はあくまで媒体ですが。(社会人の方々と一緒にいると、自分がいかに頭の回転が遅いのかわかりますね。このままだとサービスデザイン香港なんて行けるのかしら・・・。)
さて、インタビュー情報からユーザーの心の声と価値を分析しながら書き出して▼
模造紙に構造化して結果を共有▼
〈個人の振り返り〉一つすごく思ったのが、私の中では情報が構造化されたり言語化されたりしていても、それをグループ内で共有したり決定したりする力が私は著しく乏しいようです。つまり、自分の中でいくら俯瞰(メタ視点)できたとしても、それを他人に共有したり、説得したりできないってことなんですね。コミュニケーション能力なのか、プレゼンテーション能力なのか。外部に出ると、こうした自分の限界を俯瞰して見れるので、すごく面白いです。静岡にいたら絶対にわからないこと。
▪︎就活の入り口に立つ私の気づき
最近、デザインシップ等々外部でキャリアパスやキャリア設計についてインプットする機会が多かったので、今回のWSの「働く」というテーマもかなりタイムリーな話題ではありました。就活するにあたって、ファーストキャリアにどの業界・職種を選ぶのかは、今後のキャリアのベースになっていくと思います。
現役デザイナーの皆様に懇親会で少しお話を聞かせて頂きましたが、一つ私が気づきとして得られたのは、「当事者」というキーワードです。事業社であればいかに当事者であるのか。コンサルティングであればいかに当事者である人々の中に入っていくのか。これが、自分がどんな会社でどう働くのか・働きたいのかという話につながってくるかと思います。抽象的な話ですが、これはインタビューにも共通する点があるような。
最後に菅本・吉岡お疲れ様でした!たまたま二人のグラレコの初回と最終回にご一緒させてもらいましたが、グラレコのスキル面もメンタル面も鍛えられてて尊敬します。
(上:初回 下:最終回)
最後に、めちゃめちゃ美味しかった世界の山ちゃんの手羽先を添えて〜